
生産者紹介
中屋雄造鋸店
- 表の見方
所在地
名前
店舗名
職業
おすすめ商品
生年月日
星座
座右の銘
千葉県
粕谷實様 粕谷雄治さん
中屋雄造鋸店
房州鋸製造業
剪定用鋸
1951/10/15
てんびん座
悔いのない仕事
私のこだわり
製作する時に気をつけているポイントは?用途にあわせた使いやすさを追求して、最も切れ味のよい鋸を作る、ということだろうね。
菜切り包丁で魚の骨が切れないように、何でも切れる型の鋸なんてものはないんだよね。剪定用にしても、盆栽用にしても、木目込人形用鋸にしても、用途にあわせた使いやすさを追求すれば、最も切れ味のよい鋸を作ることができる。そんな、いろいろな用途に特化した鋸を作るにはね、その分野に精通しなければできないんだよ。そこが楽しいところでもあるけどね。
粕谷さんの房州鋸の特徴は?
鋸を使うのが楽しくなるくらい、スパスパッと切れて、何年も何十年も使えることだね。
うちの房州鋸を使って、あまり切れるんで、鋸を使うのが楽しみになって、自分の家に飽きたらず、友達の家の木も切っちゃった、という人が結構いるんですよ。
それに、何年も何十年も使えるっていうこともいえるね。今は使い捨ての鋸が多いでしょ。使っててもすぐ切れ味が止まっちゃう。
うちの鋸は、相当長い期間、目立て修理しなくても使えるし、もしも長年使って切れなくなったら、目立てをすればまた使うことができるからね。
オーダーメイドで鋸が作れるのですか?
鋸だったら、希望を言ってもらえば、用途に合わせたピッタリの鋸を作れますよ。
お客さんがこういうものを作ってくださいって言うでしょ。 そうするとそれを造らないと、我々のプライドとして許せないんだよね。
何だ鋸屋さんでこんな程度かと。どんなものでも作りますよっていう、そういうふうにしないと自分で嫌なんです。
生産者の横顔
日本唯一の房州鋸職人!「中屋雄造正直」江戸時代から、切れ味に定評のある房州鋸は、鋭い切れ味を要求される船鋸にその端を発しています。
時代の変化で木造船が作られなくなったことにより、船鋸鍛冶も姿を消していきました。
現在、「房州」で千葉県から認定を受けているのは「中屋雄造正直」ただ一軒だけです。
中屋雄造正直は、三代にわたり、約100年間、房州鋸を作り続けてきました。
船鋸で培った技術を存分に使い、見た目にも美しく、形も様々な鋸を丁寧に作ります。
「切れるからと1、2回使っただけで宝物としてしまっておく人がかなりいるんだけどね(笑)。道具なのでやっぱり使って欲しいね。」(三代目 粕谷雄治さん)
それぞれの用途にあわせた、使い勝手を極めた鋸
「中屋雄造正直」の房州鋸は、竹細工等、用途にあわせて50種類もの様々なタイプの鋸があります。なかでも最近、注文が多いのは、10センチ足らずの小さな生け花用の鋸です。
枝に鋸で切り込みを入れ、そこに楔という木切れを差込み、枝の形を自在に作っていきます。
一見、鋸とは無縁の生け花の世界でも、使い勝手を極めた粕谷さんの鋸が活躍していました。
「どうして、こんなに切れるんですかって聞かれるとね。私は(力こぶを見せながら)腕がいいからって答えるんです(笑)。」
工房で見せる真剣な表情とは違い、話している時の粕谷さんは、どこまでもユーモラスで親しやすい職人さんでした。