生産者紹介
相田合同工場
- 表の見方
- 所在地
- 名前
- 店舗名
- 職業
- おすすめ商品
- 生年月日
- 星座
- 座右の銘
- 新潟県
- 相田忠雄さん
- 相田合同工場
- 農具、園芸具の製造販売、企画開発
- 鎌全般
- 1936/06/26
- おひつじ座
- 継続は力なり
私のこだわり
●忠雄さんが工場に入ったきっかけを教えてください。相田合同工場は、もとは母方の伯父がやっていたんだ。
私の父は大工をやっていてね。工場の社屋は父親が建てたんだよ。
伯父の勧めで中学を卒業する時にね、相田合同工場に入る事になったんだよ。まだ、第2次大戦の渦中だったからね。夜は定時制高校に通いながら、昼は真っ黒になって働いたよ。今は、会長の私で三代目、息子で四代目になるね。
●この道何年になりますか?
鍬を作るようになって60年かな。歳は77歳。
工場に入った頃はね。重要なところはやらせてもらえなくてね。
それでもだんだんと重要な部分を任せてもらえるようになっていったよ。
●忠雄さんのモノづくりに対するこだわりを教えてください。
「農機具作りってのはね。人間が生きて行くうえで絶対に欠かすことのできない食の部分、農業をまかなっていく部分だ。
今は機械化されてずいぶん人の手が入る部分も減ったけどね。それでもまだ、鍬などの農機具が必要になる部分があるんだ。
実際に使うお客さんの意識もだいぶ変わってきたように思う。「安かろう、悪かろう」では満足しない。
プレス製品は、軽い反面、強度に問題があって、すぐ曲がってしまうんだ。どこにでもあるようなプレスで簡単にできるようなものではなく、私は手を抜かず、品質を落とさないようにとこだわってきた。
軽さを保ちながら、肉厚を出したりするやり方とか、強度を保ちながら軽くする、といったことは、手作りでなければできないからね。
●修理も手がけていると聞きました。
昔は、三条にも農機具を扱う問屋さんがたくさんあったからね。
鍬の修理をよく持ってくるんだ。
鍬ってね。日本全国それぞれの地域で特色があるんだよ。
そういうことも勉強させてもらったなあ。
お客さんの中でも、こだわりのある人は、修理代が新品の7割8割かかっても、自分の手に馴染んだものがいい、と言うことで、何回も何回も修理して使っているよ。
自分の作ったもの以外の農具でも、修理しているんだ。
他の人の作ったものを修理すると、勉強になるからね。
今は全国から、色々な農具の修理が寄せられてくるよ。
農具は、修理して使うものだから、あきらめないで相談してきてほしいね。
→農具の修理受付はこちら
●オーダーメイドもしていらっしゃるのですか?
農具は、その人の体に合ったものが一番使いやすいから、ずっと、オーダーメイドも受け付けているんだ。作る時は、型紙から作るんだけど、今、3千種類〜4千種類あるね。
道具は、使う人それぞれが自分に合った長さや角度があって、同じ品物でも、男女でも違うし、地域によっても違っていて、目方が軽かったり、人によっては重くしてほしいとか、いつも、お客様の要望を聞きながら、話し合って作るんだよ。
それが、マッチして喜ばれた時が、一番嬉しいね。この仕事は、お客様に喜んでいただけるのが一番だよ。
→オーダーメイドのご依頼はこちら
※できるだけご希望の形状や用途などを細かく書いてください。
生産者の横顔
燕三条鍛冶の伝統と心意気相田合同工場のある新潟県の燕・三条地域は、金属加工を中心に約600年の歴史がある地域です。長い歴史の中で、金属加工から派生した様々な地場産業が発達してきました。
その中でも、相田合同工場さんは、四代にわたり、燕三条鍛冶の伝統と心意気を貫き、日本の風土に合わせた本物の鍬造りに心血を注いできました。鋼を丹念に鍛え上げる手造りにこだわり、製品安全にも配慮した、納得のいく鍬だけを作り続けています。
卓越した「モノづくり」の技術で数々の賞を受賞
2005年11月には、相田さんは、「モノづくり」に関わる高度熟練技能者に与えられる、にいがた県央マイスターに認定されました。また、デザイン農具「踏み鋤」が2012年度グッドデザイン賞(雑貨・生活用品部門)を受賞、また、製品安全対策優良企業表彰(経済産業省主催)にて2010年度の経済産業大臣賞も受賞しています。
「家庭菜園から家庭農園へ、鍬づくりのマイスターとして、新しい日本の農具を提案していきたいね」(相田さん)
飽きずにやること、長く続けることの大切さ
日本全国から、注文や修理、オーダーメイドの依頼を受ける相田さんの座右の銘は、「継続は力なり」。
「飽きずにやること。長く続けることが一番大事だね。技は、教えられて覚えるものでなくて、身につくものだから。」
大変なことは?と伺うと、
「夏場は、火を使う工場の中は50度以上になるからね。大変だよ。」
50度以上の工場の中で、火に向かう。考えただけでも、クラクラしますが、相田さんは、さりげなく おっしゃいます。
ご趣味は?と伺うと、
「今は、お休みの日は大工仕事をしているね。大工仕事で色々なものを作ってる。つくづく、手仕事が性に合ってるんだなあ」
そう笑う相田さんは、今日も工場の中で、ものづくりの火に向かい続けています。