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富貴堂の鎚起銅器
使い込むほどに愛着がわく、「こだわりの逸品」

富貴堂の鎚起銅器

鎚起(打物)銅器とは?

鎚起銅器とは、「鎚」で打って「起」こす銅器という意味で、一枚の銅板を、焼きなましを繰り返しながら大小の様々な鎚 (つち) で打ち起こし、器を作りあげる鍛金技術です。江戸時代中期に、新潟の燕に伝えられ、約200年にわたり受け継がれ発展してきました。

富貴堂は先代 藤井富治さんが昭和20年に独立開業。2代目 藤井宏さん・3代目 藤井健さんは、開業から3代にわたり新潟県燕市で鎚起(打物)銅器を製作しています。藤井さんの丁寧な手仕事による形・多様な模様の美しさは秀逸で、その高い技術により、数々の賞を受賞しています。

・新潟県生活文化創造産業振興協会
 IDSデザインコンペティションIDS奨励賞(平成7年)
・新潟県推奨優良品特別賞 (平成7年)
・新潟県燕市物産デザインコンクール奨励賞(平成8年)
・新潟県生活文化創造産業振興協会IDS THE BEST C部門 第2位(平成12年)
・にいがた産業創造機構IDSデザインコンペティションIDS奨励賞(平成18年)

鎚起銅器の魅力

・藤井さんの鎚起銅器の魅力って何ですか?

銅の素材のすばらしさ、形作りの楽しさから生まれた「一生もの」の道具であることですね。

鎚起銅器とは「鎚」で打って「起」こす銅器という意味で、一枚の銅板を焼きなましを繰り返しながら大小の様々な鎚(つち)で打ち起こし、さまざまな器の形を作っていきます。
叩いて作る事で地金が締まり、強度が増しているので、とても丈夫です。
また、使えば使うほど円熟味が増し、味わい深い器になっていきますよ。
さらに、うちの製品は、銅の黒ずみを和らげる処理を施しているので、より落ち着いた銅の風合いを、長く楽しむことが出来ます。

銅はアルミの2倍・鉄の5倍・ステンレスの25倍もの熱伝導性があります。さらに、一目一目、鎚で丁寧に叩いて作り上げられた表面の凹凸が表面積を広げ、銅の持つ熱伝導性の良さをさらに高めているんですね。

だから、湯沸や鍋でのお湯の沸きも早いです。また、銅のコップに冷たい飲み物を注ぐと器が冷たくなり、口にした時に格別な清涼感を楽しめます。飲む5~10分位前に冷蔵庫でコップを冷やしてみて下さい。よく冷えて美味しいですよ。

鎚起銅器のお手入れ

鎚起銅器のお手入れ

柔らかい布でやさしく拭いて下さい。徐々に光沢や渋みが増し、 味わいある一品となります。
汚れが気になる時は、布を湿らせ、よく絞ったもので拭き、最後は乾いた柔らかい布で水気を拭き取って下さい。

鎚起銅器が出来るまで。

(1)地金取り・地金切り

銅板を、適正なサイズに切り抜きます。

地金取り・地金切り

(2)焼き鈍し

銅板を火に入れて焼き鈍します。

焼き鈍し

(3)打ち上げ

焼き鈍した銅板を、とりぐち(あて金)や 木槌・金鎚などの 様々な種類の道具を使い、叩いて形状を打ち起こしていきます。

打ち上げ

(4)焼き鈍し・打ち上げ

叩くと銅板は硬くなるので、焼き鈍しをしてからさらに打ち上げて 形を作っていきます。 *この工程を繰り返し、形が出来るまで作業をしていきます。

焼き鈍し・打ち上げ

(5)成形

出来上がった形の表面・形がさらに滑らかになる様に仕上げの叩き作業をします。(ならし作業)

成形

(6)磨き・仕上げなど

表面をきれいに磨き、表面に着色処理をして仕上げていきます。湯沸や銅鍋などは錫加工を施します。

磨き・仕上げなど

(7)艶出し、検品、完成

艶を出し、検品して完成です。


商品一覧

職人より一言

使う人の喜びを考えながら、一目一目、ひたすら鎚と鏨(たがね)で丁寧に叩いて打ち上げた手仕事です。大量生産にはない使い勝手のよさ、堅牢さ、温かみが使っていただく方に伝わったら嬉しいですね。

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